
今年も桜とともに登山棒(金剛杖)の季節がやってきました。
富士登山の経験がある方の中には、断面が八角形の金剛杖を買って
山小屋毎に焼印を押してもらった人も多いと思います。
当社では、毎年三月下旬から七月中旬までの間に
トータル三万本前後のヘムの角材(長さ1,370ミリで27ミリ角)を
富士山の金剛杖用材料として出荷しています。
加工は金剛杖専門の加工屋さんが施すのですが
今頃から始めないと七月から八月末までの
一般の人の登山シーズンに間に合わないのだそうです。
毎年本数の予定はありますが、登山は天候次第ですから
晴れの日が多い年には千本単位の追加オーダーが入り
お盆近くまで気が抜けません。
一般には富士山の登山者は毎年約三十万人と言われていましたが
環境省の調査によれば、八合目以上に登る人が約二十一万人だそうです。
自分では富士山のよく見える近くに住んでいながら
三十年ほど前に友達と一度登ったきりなので
毎年欠かさず登る人も多いと聞き感心しきり。
富士登山に関する情報提供のサイトが多いのにもびっくりです。
富士山の金剛杖全てに当社の材料が使われているわけではありませんが、
それでも毎年の登山者の内一割強の人達が知らずしらずにとはいえ
ヘムを手にしてくれているというのが実は密かな自慢です。



昨年の後半はカナダBC州沿岸の製材・山林就業者のストがあり
暫く纏まった入荷が無い状況が続いていました。
今回ようやく新しい材が入ってきたので写真で紹介します。
ヘムが揚がる弊社に一番近い港は清水港になります。
駿河湾奥の西の端に位置しますが水面の向こう側に
雪を頂く富士の見える美しい港です。
ヘムは観光都市バンクーバー周辺の工場で製材されますが
写真の様に厚い盤から板物までグレード別に分けて梱包され
コンテナか本船(通常の船腹)に詰められて運ばれてきます。
(撮影時は通関待ち)
ストが長く続いたので当社在庫も年末には少し寂しくなりました。
(とは言え、いつでも数百㎥の在庫はあるのですが)
こうして新しい材が入ってくると仕事の繁閑にかかわらず
つい嬉しくて頬が弛んでしまいます。
快晴の空の下シャープに聳える富士の写真を載せるつもりが
見慣れているせいか撮るのを忘れてしまいました。
どうぞ悪しからず。

日に日に秋の気配が濃くなっているのに、今更夏休みの課題もないのですが、
今回は夏季休暇中に作った堆肥箱の紹介です。
恥ずかしながら、最近の趣味といえば庭仕事。
植木の手入れは素人ですが、年に何回かは自分で剪定します。
小さな庭なのに、植木を刈ると大量の枝葉がゴミになり、
毎回大きな袋を五つも六つも焼却ゴミとして捨てていました。
それも内心は勿体ないと思いながら、町内のゴミ収集場へ夜間に遠慮しながら。
剪定が終わると施肥をして、また枝葉が伸びての繰り返し。
だから刈った枝葉を堆肥化すれば、ゴミも肥料も減るのではないかと考えていました。
そしてとうとうこの夏暑さにめげず、懸案に立ち向かうことに。
庭には以前土留めに使用して余った枕木の切れ端が二本転がっていました。
それらを真ん中で二つに切り、地面に埋め込み、まず土台にしました。
図面もひかず、箱のサイズは土台に載る大きさに決め、作業開始。
土台に合わせ、米杉ワンバイフォー材を幅方向に八枚、奥行き方向に七枚を並べて
ツーバイフォー材にビス留めしたものを、それぞれを二枚ずつ作り四枚の壁面に。
蓋を少し傾斜させるために、前の壁面を短くして横の壁面は斜めにカットしました。
蓋はワンバイフォー同士をビス留めするだけ。材料は輸入時の状態のままなので、
表面が仕上げ無しのラフの物もありましたが、そんな事はお構いなし。
四枚の壁面を組み立て、土台の上に載せて蓋を被せただけの簡単な構造。
実質作業時間四時間のやっつけ仕事です。
堆肥の作り方はネットで調べましたが、暫くは試行錯誤をする覚悟。
本当は庭木用のシュレッダーが欲しいのですが、まだ家内には言い出せません。