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2007/11/20 火曜日

買えなかったサイン本

Filed under: books,その他 — happywood @ 1:11:16

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若い頃と比べると読書量がめっきり落ちてしまいました。
それでも元々為になりそうな本には見向きもせず、娯楽物に徹してきたので
実はそれ程問題ないのかもしれません。
最近読んだ中でのお薦めは、ジョン・ダニングの 災いの古書。
元警察官の古書店主クリフ・ジェーンウェイのシリーズ四作目です。
訳者あとがきにもありますが、前作を未読でも十分楽しめます。
今回はサイン本に関わる事件ですが相変わらずの面白さで一気読み。

サイン本で思い出すのはジェイムズ・エルロイの本。
年に何度か足を運んでいたカナダ・バンクーバーの街角に、数年前まで行きつけの?
本屋がありました。
店に入り正面奥の回り階段を下りて行くと、予想よりはるかに広い地下室の棚から棚へ
ミステリーやSFのハードカバーやペーパーバックがぎっしり。
行くたびにそこにある本を全て読めたらどんなに幸せかと思いました。
もちろん英語の本などスラスラ読めるわけはありません。
仕事の合間に好きな作家の新作や未訳をチェックしたり
知っている作品の邦題と原作のタイトルを比べるのも楽しかったりします。
また翻訳され品の良い装丁をされた作品が、実はど派手なペーパーバックだったり
見ていて飽きません。
ちょうど今頃の季節だったでしょうか。
毎年信じられない程美しい風景や動物の写真がたくさん載っている
SIERA CLUB のカレンダーを買いにその店に入りました。
いつも通りの順番でチェックしている時、一階の新刊本の棚の隅にラドラムやキングと並んで
エルロイのハードカバーを見付けました。
棚の本は My Dark Places – わが母なる暗黒。そして初めて見る著者サイン入りの表示。
サインがあるからといって定価より高いわけではなさそうです。
棚には一冊しかないし買うべきか暫く迷いましたが、買ってもどうせ読めはしないだろうと
少し冷静に判断してその日はホテルに帰りました。
ところが、一度は買わないと決めたのにいつまでも気になって仕方ありません。
二日後、明日は帰国という日になってから無駄になっても買っておこうと決心しました。
外はまだ寒いのに開店の時間に合わせ勇んで本屋に出掛けました。
しかしエルロイの本は既に棚から消えていたのです。
その時の落胆の度合いの大きかったこと。
見付けた時にすぐ買っておけばと逡巡したことを悔やみました。

今思えばそれほど価値が有ったかどうかはわかりません。それに自分が持っていたとしても
宝の持ち腐れ同然ですから、結果的には買えなくても良かったのでしょう。
その後同じ通りにカフェを併設した大型書店ができ少し足が遠のくと、
いつの間にか本屋のあった場所は女性専門のアパレル店になってしまいました。